俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 ぐわーーーーーっ、と火災報知器が作動したらすぐかけつけて献血。献血のしすぎてお母さんふらふらさ。……て母乳の原料なにか知ってるよなあおまえ。知らないんなら帰りの電車でググれ。ggrks、という言葉を、今回、久々に使いたくなったな……」

 あーそうだ。とここまで言った男はなにか思いついたことがあるらしく。「おまえの嫁さん。母乳育児? それとも粉ミルクやってる?」

 丈一郎は即答できない。……たぶん。「母乳、だと、思われ、ます……」

「思われますだとお?」眉を歪めても男の端正な顔立ちは崩れない。「おまえ。育児不参加にもほどがあるぞ。ふたりで作った子どもなんだろ?

 嫁さんひとりに押しつけず。ちゃんと、てめえが、育てろ。

 ――会社で仕事するってだけが、男のすることじゃねえんだぞ」

 凄みを利かせた声で言い放ったと思えば一転。「母乳育児もミルク育児も。一長一短。なんだよな……」と分からないであろう丈一郎に説明をしてやる。
< 242 / 259 >

この作品をシェア

pagetop