俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~

第二部――『おれの彼女の〇〇〇〇は世界一!』◇1

 どう考えても、大きくなった。


 手で包んでみる。以前よりも弾力や柔らかさが増した。それはそうだ、毎日あれだけ触られているのだから。

 ブラジャーをつけて鏡の前に立ってみる。必要以上に谷間が刻まれ、胸が窮屈そうだ。――はい。どう考えてもサイズアウト。

 綾乃は、ため息をつく。

 Eカップに昇格したのはありがたいけれど、全部買い直しかと思うと、素直に喜べない自分もいる。

「あり。なんでブラしてんの」

 綾乃が生理中ゆえ、風呂は別々に入っている。先にあがった丈一郎が、露骨に残念な顔をして綾乃に声をかけてくる。ちなみに、風呂には鍵をかけない主義だ。さすがにトイレにはかけるが。

「あのさあ。どう考えても、大きくなった、よね……」

「おお」丈一郎は、手に持っていた缶ビールを一口飲んだうえで綾乃に近寄ってくる。「成長したなあおまえ。もっと大きくなってもいいぞー」

「んもう。他人事だと思って」ふくれっ面で綾乃が言っても丈一郎は優しくキスしてくるものだから結局、綾乃は怒れない。

 愛されていることが幸せなのだ。
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