第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
お嬢様のいない伯爵家
セナside
お嬢様が王妃教育に出て、2週間が経った。
――大丈夫だろうか。
あの人なら、座学や礼法でつまずくことはまずない。
理解も早いし、要点を掴むのも上手い。
問題があるとすれば、そこではない。
ずっと城の中に閉じ込められ、剣にも触れられない日々。
あの人にとって、それがどれほど退屈で、息苦しいものか――
考えないようにしても、ふと頭をよぎる。
そして何より。
あの人は、強いのに、どこか無防備だ。
自分の心が削れていくことに、気づかないふりをするところがある。
それが、見ていて怖い。
……いや。
俺が心配するまでもないか。
そう言い聞かせようとするのに、胸の奥がざわつく。
気にしすぎだ、と自分に言い聞かせても、
気づけば視線は城の方角を追ってしまう。
あの人が笑っているか。
無理をしていないか。
誰かに傷つけられていないか。
考えたくなくても、考えてしまう。
――本当に、俺は何をしているんだろうな。
思考を切り替えるように、深く息を吐く。
こちらはこちらで、騎士団統合の話が本格化していた。
部隊の再編、チーム分け、任務の割り振り。
細かい調整が山のように積み重なり、息つく暇もない。
忙しさは、余計な考えを押し流してくれる。
それがありがたい反面、どこか卑怯な気もして――
そして束の間の休息、騎士団員といつものメンバーで集っていた。
けれど、どれだけ笑い声が響いても、
心のどこかで、あの人のことを探してしまう自分がいた。
お嬢様が王妃教育に出て、2週間が経った。
――大丈夫だろうか。
あの人なら、座学や礼法でつまずくことはまずない。
理解も早いし、要点を掴むのも上手い。
問題があるとすれば、そこではない。
ずっと城の中に閉じ込められ、剣にも触れられない日々。
あの人にとって、それがどれほど退屈で、息苦しいものか――
考えないようにしても、ふと頭をよぎる。
そして何より。
あの人は、強いのに、どこか無防備だ。
自分の心が削れていくことに、気づかないふりをするところがある。
それが、見ていて怖い。
……いや。
俺が心配するまでもないか。
そう言い聞かせようとするのに、胸の奥がざわつく。
気にしすぎだ、と自分に言い聞かせても、
気づけば視線は城の方角を追ってしまう。
あの人が笑っているか。
無理をしていないか。
誰かに傷つけられていないか。
考えたくなくても、考えてしまう。
――本当に、俺は何をしているんだろうな。
思考を切り替えるように、深く息を吐く。
こちらはこちらで、騎士団統合の話が本格化していた。
部隊の再編、チーム分け、任務の割り振り。
細かい調整が山のように積み重なり、息つく暇もない。
忙しさは、余計な考えを押し流してくれる。
それがありがたい反面、どこか卑怯な気もして――
そして束の間の休息、騎士団員といつものメンバーで集っていた。
けれど、どれだけ笑い声が響いても、
心のどこかで、あの人のことを探してしまう自分がいた。