第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
ケーキより甘い休日
第2騎士団と第3騎士団の統合は、
正式に進められることになった。
新体制では、
ルーク団長、オリバー副団長、
そしてセナ副団長とエリックが補佐として任命される。
実際に試合に出てはいないが、
ルーク団長の圧倒的な強さは周知の事実だ。
その点に異論を唱える者はいなかったらしい。
さらに、第3騎士団の給与体系の見直し、
訓練設備や装備の改善も順次進められる予定だ。
――長い間、後回しにされてきたものが、
ようやく正当に扱われる。
それを思うと、胸の奥が少しだけ軽くなる。
そして今日は、
約束通りテオと休日を過ごす予定だ。
仕事も、責任も、立場も――
今日はひとまず脇に置いて。
ほんの少しだけ、
“私自身”の時間を過ごそうと思う。
「お嬢さま」
「テオ」
「今日は、俺について来てね」
そう言って笑うテオに、私は思わず微笑み返す。
「うん」
テオの手には籠があった。
「それ、なに?」
「お弁当とか、色々」
「へぇ……!」
「楽しみにしてて」
そう言って笑い、テオは迷いなく私の手を取った。
――相変わらず、自然すぎる。
二人で列車に乗り込む。
席に着くと、テオはしれっと隣に腰を下ろした。
……近いな。
肩が触れそうな距離に、視線を前に固定する。
「どこに行くの?」
「二人きりになれるとこ」
囁くような声で、
テオは私の耳元に顔を寄せる。
「逃げ場、ないよ?」
……まったく。
「もう」
軽く睨むと、
テオは楽しそうに笑った。
「その顔、好き」
そう言われて、
何も言い返せなくなる。
相変わらずだ。
……本当に、変わらない。
けれど、その軽さが不思議と嫌じゃない。
正式に進められることになった。
新体制では、
ルーク団長、オリバー副団長、
そしてセナ副団長とエリックが補佐として任命される。
実際に試合に出てはいないが、
ルーク団長の圧倒的な強さは周知の事実だ。
その点に異論を唱える者はいなかったらしい。
さらに、第3騎士団の給与体系の見直し、
訓練設備や装備の改善も順次進められる予定だ。
――長い間、後回しにされてきたものが、
ようやく正当に扱われる。
それを思うと、胸の奥が少しだけ軽くなる。
そして今日は、
約束通りテオと休日を過ごす予定だ。
仕事も、責任も、立場も――
今日はひとまず脇に置いて。
ほんの少しだけ、
“私自身”の時間を過ごそうと思う。
「お嬢さま」
「テオ」
「今日は、俺について来てね」
そう言って笑うテオに、私は思わず微笑み返す。
「うん」
テオの手には籠があった。
「それ、なに?」
「お弁当とか、色々」
「へぇ……!」
「楽しみにしてて」
そう言って笑い、テオは迷いなく私の手を取った。
――相変わらず、自然すぎる。
二人で列車に乗り込む。
席に着くと、テオはしれっと隣に腰を下ろした。
……近いな。
肩が触れそうな距離に、視線を前に固定する。
「どこに行くの?」
「二人きりになれるとこ」
囁くような声で、
テオは私の耳元に顔を寄せる。
「逃げ場、ないよ?」
……まったく。
「もう」
軽く睨むと、
テオは楽しそうに笑った。
「その顔、好き」
そう言われて、
何も言い返せなくなる。
相変わらずだ。
……本当に、変わらない。
けれど、その軽さが不思議と嫌じゃない。