第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
部屋へ案内された。

「王妃教育は明日からになります。本日は、どうぞごゆっくりお過ごしください」

そう言って、レイさんは深く頭を下げた。

扉が閉まり、私は一人になった。

……ちらりと部屋を見回す。

ひ、広い。

大きなベッド。テーブルと椅子。本棚には本が並び、風呂もトイレも洗面台も揃っている。

生活に必要なものは、すべてある。

ここから一歩も出なくても――完結してしまう。

「……幽閉じゃない?」

思わず呟いてしまった。

勝手に出歩いたら、さすがに怒られるだろうか。今日は大人しくしていたほうがいいのかもしれない。

……いや。出るなとは言われていない。

――少しくらいなら。

探検に行こう。

そう決めて、私はしれっと部屋を抜け出し、歩き回った。

……ひ、広すぎる。

廊下は長く、部屋の数も多い。迷いそうになるほどだ。

あれは……王国騎士団の訓練所だろうか。立派だな。

あとで、見学させてもらえないだろうか。
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