完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
短く言うと、志乃が小さく笑った。

「相変わらずね」

「……何がだ」

「全部、自分の責任みたいに言うところ」

少しだけ、優しい目になる。

「昔から変わらないわ」

「……」

志乃は、昔からこうだ。

母が亡くなった時も。

あの時、何も言えなかった俺の隣に、ずっといた。

泣きもせず、ただ静かに。

「……放っておけねぇだろ」

ぼそりと呟く。

「知ってるわ」

そう言って、ふっと微笑んだ。

「だから……少しだけ、そばにいてくれる?」

「……ああ」

短く頷く。

その時、志乃がじっとこちらを見た。

「……でも」

「?」

「あなた、少し様子が変わったわね」

「は?」

「誰かのこと、考えてる顔」

一瞬、言葉に詰まる。

「……気のせいだろ」

そっけなく返すと、志乃はくすっと笑った。

「そういうことにしておくわ」

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