完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
勘違いかもしれない……
でも、要さん……もしかしてそれって。
「取られるんじゃないかって、思った」
はっきりと言い切られ、心臓が止まりそうになる。
「……え……」
「意味わかんねぇよな」
自嘲気味に笑い、少しだけ顔を伏せた。
「婚約者だからって理由で片付けようとしてたけど……そんな軽いもんじゃない」
そのまま、ゆっくり顔を上げた。
「……花音さんのこと、他のやつに触らせたくないし、隣にいるのも俺だけでいいって思ってる」
その言葉が、まっすぐ落ちてくる。
「……っ」
胸が、ぎゅっと締めつけられた。
「……やっと気付いた。迅に言われて気付いたのが腹立つけど」
そう言って手が、そっと伸びてきて――
躊躇うように、でも確かに。
私の左手を掴んだ。
「俺は花音さんが好きだ」
「……っ」
「どうしようもなく」
そして左手の薬指にキスを落とす。
全身が痺れたような感覚に陥った。
固まって、体も口も動かない。
要さんが……私を?
本当に?
「嫌なら嫌って言え」
その一言で、全部が崩れそうになる。
「……っ」
視界が、にじむ。
こんな風に言われたら――
「……ずるいです」