完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
「む、無理です……!」

「無理とかじゃなくて……俺がそうしたい」

……ずるい。

そんな言い方。

「……花音」

名前を呼ばれて、びくっとする。

「ちゃんとこっち見ろ」

「……っ」

ゆっくり顔を上げると、すぐ近くに要さんの顔があった。

近すぎるよ……

恥ずかしすぎて、俯いてしまった。

「昨日の返事、まだ途中だろ」

「え……」

「好きって言っただけで終わってない」

「……っ!」

思い出して、一気に顔が熱くなる。

「ちゃんと責任取れよ」

「責任って……!」

思わず言い返すと、くすっと笑われた。

「冗談」

「……絶対違います」

「半分くらいな」

全然冗談じゃない気がする。

でも……そのまま、指が少し強く絡められる。

「……でも、本気だから。逃げんなよ」

その一言に、胸がぎゅっと締めつけられた。

「……はい」

小さく頷くと、満足そうに息を吐く。

「よし」

……なにが“よし”なんだろう。

でも、少しだけ嬉しいと思ってしまう自分がいる。

そして、あっという間に学校に到着した。

「……っ」

車を降りた瞬間、手を離そうとしたのに。

「どこ行く気だよ」

そのまま、引き寄せられた。

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