蛍の季節に、キミはまた会いに来る
……黒崎くん。

私も。

私もだよ、黒崎くん。

小さい頃、この場所で約束したのが黒崎くんで。

中学二年で再会して、同じクラスになって。

恋人になれた。

私の人生の中に、黒崎くんがいてくれたこと。

本当に、幸せだった。

——素敵な運命だったよ。

ありがとう、黒崎くん。

そっと涙を拭って、私は微笑む。

そのとき。

ふわりと、風が吹いた。

顔を上げる。

風の向こうに——

大好きな笑顔で、手を振る彼の姿が見えた気がした。

私は、小さく手を振り返す。

そして、前を向いた。

進むよ。

ちゃんと、自分の足で。

笑って、生きていく。

それが——

蛍の季節に会いにきてくれた、黒崎くんの最後の願いだから。


ー完ー


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