きみが春なら
昼を過ぎても記者の人がひっきりなしにやってきた。
お店は一応営業していたけれど、とてもお客さんが落ち着いて食事できる雰囲気じゃない。
「外は野次馬でごった返してる。街中噂で持ちきりだとさ。商売になりゃしない」
「……ごめんなさい」
「ハルちゃんのせいじゃないよ」
いたたまれない気持ちになり俯いた時。外から歓声があがった。
「王子!?」
「ロレンツォ王子だ!」
店内に数人いたお客さんが、興奮した様子で窓の外を覗く。
「ハル?」
サリーさんの声を背にドアハンドルを握る。
……話をしなきゃ。王子様と。
出来れば人違いだったと言って欲しい。
ふらふら外に出た途端、カメラのフラッシュを一斉に浴びた。
お店の周りをぐるりと囲む人々の数に息を呑む。好奇の視線が突き刺さる。
「おい。黒髪だぞ」
「異人じゃないか!」
そんな声も聞こえてきて逃げ出したくなった。
「迎えにきたぞ。我が妻よ」
そう言って馬上で笑うのは
「あな、たは……」
いつかお城で会ったあの人だった。
お店は一応営業していたけれど、とてもお客さんが落ち着いて食事できる雰囲気じゃない。
「外は野次馬でごった返してる。街中噂で持ちきりだとさ。商売になりゃしない」
「……ごめんなさい」
「ハルちゃんのせいじゃないよ」
いたたまれない気持ちになり俯いた時。外から歓声があがった。
「王子!?」
「ロレンツォ王子だ!」
店内に数人いたお客さんが、興奮した様子で窓の外を覗く。
「ハル?」
サリーさんの声を背にドアハンドルを握る。
……話をしなきゃ。王子様と。
出来れば人違いだったと言って欲しい。
ふらふら外に出た途端、カメラのフラッシュを一斉に浴びた。
お店の周りをぐるりと囲む人々の数に息を呑む。好奇の視線が突き刺さる。
「おい。黒髪だぞ」
「異人じゃないか!」
そんな声も聞こえてきて逃げ出したくなった。
「迎えにきたぞ。我が妻よ」
そう言って馬上で笑うのは
「あな、たは……」
いつかお城で会ったあの人だった。