きみが春なら
電灯のスイッチを押すと、整然と並ぶ本棚が照らし出された。
ハルがわ、と声を漏らす。
書庫として使っている一室は、いつも扉を開けた瞬間待ってましたとばかりに紙の匂いが押し寄せる。
「すごい。本がたくさん」
「何代か前の国王が本の収集家だったみたいでさ。未だに残してるんだ。普段は俺しか来ないけど」
「本を読みにくるの?」
「いや。疲れた時にボーッとしたり。ちょっと寝たり」
「寝てしまうの?ここで」
彼女が笑った。
「そんなもんだ。案外適当にやってるよ」
棚の間を歩きながら、彼女は興味深そうに周りを見回している。
「いろんな国の本がある」
「うん。確かこの辺りに……」
足を止め背表紙を順番になぞる。
「あ。ほら」
空色の単行本を一冊抜き出し、手渡した。目に付くところに何も文字が書かれていない本だ。
「……日本語!」
表紙を開いた彼女の顔がパッと輝いた。
ハルがわ、と声を漏らす。
書庫として使っている一室は、いつも扉を開けた瞬間待ってましたとばかりに紙の匂いが押し寄せる。
「すごい。本がたくさん」
「何代か前の国王が本の収集家だったみたいでさ。未だに残してるんだ。普段は俺しか来ないけど」
「本を読みにくるの?」
「いや。疲れた時にボーッとしたり。ちょっと寝たり」
「寝てしまうの?ここで」
彼女が笑った。
「そんなもんだ。案外適当にやってるよ」
棚の間を歩きながら、彼女は興味深そうに周りを見回している。
「いろんな国の本がある」
「うん。確かこの辺りに……」
足を止め背表紙を順番になぞる。
「あ。ほら」
空色の単行本を一冊抜き出し、手渡した。目に付くところに何も文字が書かれていない本だ。
「……日本語!」
表紙を開いた彼女の顔がパッと輝いた。