きみが春なら
「そろそろ帰ろうか?風が出てきた」
しばらく付き合った後、相変わらず熱心に木を見上げる横顔に声をかけた。
生返事はするものの、君の足はなかなかそこから動き出せない。
「また来年見に来よう。今度は花が満開の時に」
「うん」
頷く君にホッとした。手をとり、もと来た道を引き返す。
「ふふ、」
「ん?」
「幸せだなって。」
出会った日は、あんなに怯えた顔で俺を見ていたのに。
ふにゃんと頼りない笑顔には今や警戒心の欠片も無くて。
「またそれか。ただの散歩だぞ」
「うん。それでも幸せ」
ハルは、自分の想いをいつも素直に聞かせてくれる。
『好き』。『嬉しい』。『幸せ』。
彼女の口から零れる度に、強くなれた。まるで魔法の言葉だ。
俺を丸ごと肯定し、ここにいる意味を与えてくれる。
「……」
今かもしれない。
今しかないのかもしれない。
しばらく付き合った後、相変わらず熱心に木を見上げる横顔に声をかけた。
生返事はするものの、君の足はなかなかそこから動き出せない。
「また来年見に来よう。今度は花が満開の時に」
「うん」
頷く君にホッとした。手をとり、もと来た道を引き返す。
「ふふ、」
「ん?」
「幸せだなって。」
出会った日は、あんなに怯えた顔で俺を見ていたのに。
ふにゃんと頼りない笑顔には今や警戒心の欠片も無くて。
「またそれか。ただの散歩だぞ」
「うん。それでも幸せ」
ハルは、自分の想いをいつも素直に聞かせてくれる。
『好き』。『嬉しい』。『幸せ』。
彼女の口から零れる度に、強くなれた。まるで魔法の言葉だ。
俺を丸ごと肯定し、ここにいる意味を与えてくれる。
「……」
今かもしれない。
今しかないのかもしれない。