第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
「さて、とりあえず行きますか」
私がそう言うと、
「そうだね〜」
「はい」
テオとセナも頷き、3人で歩き出した。
――その瞬間。
ぎ……り。
足元で、何かが軋む音がした。
「……止まって」
セナの声が、低く鋭くなる。
次の瞬間、背後でズン、と鈍い音。
さっきまで立っていた床が、音もなく沈み込んだ。
「え、今の――」
テオが振り返る。
そこにはもう、道はなかった。
床が消え、壁が蠢き、
石と石の継ぎ目が歪んでいく。
まるで巨大な生き物が、
ゆっくりと呼吸しながら形を変えているようだった。
――拒絶。
ここは、進ませないと告げている。
「……迷宮、動いてますね」
セナが周囲を見渡しながら呟く。
「しかもさ、これ」
テオが乾いた笑いを漏らす。
「俺たちを“選んで”邪魔してない?」
その言葉に応えるように、
空気がひやりと冷えた。
奥の闇から、低い唸り声が響く。
迷宮は、生きている。
そして――
私たちを、歓迎していなかった。
私がそう言うと、
「そうだね〜」
「はい」
テオとセナも頷き、3人で歩き出した。
――その瞬間。
ぎ……り。
足元で、何かが軋む音がした。
「……止まって」
セナの声が、低く鋭くなる。
次の瞬間、背後でズン、と鈍い音。
さっきまで立っていた床が、音もなく沈み込んだ。
「え、今の――」
テオが振り返る。
そこにはもう、道はなかった。
床が消え、壁が蠢き、
石と石の継ぎ目が歪んでいく。
まるで巨大な生き物が、
ゆっくりと呼吸しながら形を変えているようだった。
――拒絶。
ここは、進ませないと告げている。
「……迷宮、動いてますね」
セナが周囲を見渡しながら呟く。
「しかもさ、これ」
テオが乾いた笑いを漏らす。
「俺たちを“選んで”邪魔してない?」
その言葉に応えるように、
空気がひやりと冷えた。
奥の闇から、低い唸り声が響く。
迷宮は、生きている。
そして――
私たちを、歓迎していなかった。