第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
ディランとレイさんに見送られて、伯爵家に到着した。
久しぶりの我が家の門が見えた瞬間、胸の奥がふっと緩む。
ここに帰ってきたんだ、と実感する。
出迎えてくれた兄・マルクが、私を見るなり目を丸くした。
「どうした、その髪!?
殿下に振られたのか!?」
あまりに直球すぎて、思わず苦笑いが漏れる。
「マルク様……それは失礼すぎます」
ユウリが呆れたように言い、
テオとセナが同時に大きくため息をついた。
だいたいの事情は、父も兄もすでに知っているらしい。
それでも兄は兄で、言いたいことがあるようで――
「なるほどな……まあ大変だったな。
だが俺も大変だったんだ!」
胸を張るように言うが、すぐに肩を落とす。
「やること多すぎて……母も父も厳しいし……」
はあっと深いため息。
兄が抱えていた書類の束を手に取ると、
思ったよりきちんと整理されていて驚いた。
「でも、どうにかなりました?」
「ぼちぼちだ……ぼちぼち」
ぼちぼちと言いながら、どこか誇らしげだ。
意外とやる気を出せばできる人なのかもしれない。
(前に“高級食材をボランティアに使おう”としていた人と同一人物……だよね?)
思わず心の中で突っ込んでしまう。
けれど、
家の空気は温かくて、懐かしくて、
胸の奥がじんわりと満たされていく。
久しぶりの我が家の門が見えた瞬間、胸の奥がふっと緩む。
ここに帰ってきたんだ、と実感する。
出迎えてくれた兄・マルクが、私を見るなり目を丸くした。
「どうした、その髪!?
殿下に振られたのか!?」
あまりに直球すぎて、思わず苦笑いが漏れる。
「マルク様……それは失礼すぎます」
ユウリが呆れたように言い、
テオとセナが同時に大きくため息をついた。
だいたいの事情は、父も兄もすでに知っているらしい。
それでも兄は兄で、言いたいことがあるようで――
「なるほどな……まあ大変だったな。
だが俺も大変だったんだ!」
胸を張るように言うが、すぐに肩を落とす。
「やること多すぎて……母も父も厳しいし……」
はあっと深いため息。
兄が抱えていた書類の束を手に取ると、
思ったよりきちんと整理されていて驚いた。
「でも、どうにかなりました?」
「ぼちぼちだ……ぼちぼち」
ぼちぼちと言いながら、どこか誇らしげだ。
意外とやる気を出せばできる人なのかもしれない。
(前に“高級食材をボランティアに使おう”としていた人と同一人物……だよね?)
思わず心の中で突っ込んでしまう。
けれど、
家の空気は温かくて、懐かしくて、
胸の奥がじんわりと満たされていく。