隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

プロローグ

初めてあなたに会ったのは、誰にも言わずひっそり出た一人旅だった。

あなたが見ている私が別人で、
私が見ているあなたが偽りでも。

あなたの姿は神々しくて、その瞳に吸い込まれるかと思ったの。

「君は花よりそっちが好きなのか」

また変わり者だと馬鹿にされると身構えたのに、あなたは嬉しそうに微笑んだ。

「君を知れて嬉しい」

あなたにとってなんてことない言葉や行動でも。
その数日間が、あなたにとって忘れてしまえる日々だったとしても。

私があなたにもらったものは、私の胸に優しく降り積もっている。大切な心の宝箱にしまって、時折思い出しては全身を温めるの。

きっとこれからの人生、ずっとーー。


だから、だからね。

ーー今度は私があなたを救うわ。
例えあなたの心に誰がいたとしても。
決して愛されることがないとしても。
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