【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
*****
〜フェンリルの事情〜
ぼくは怒っていた。ぷんぷん怒っていた。
ほら、ぼくの自慢の尻尾がさがってゆれてるよ。ゆっくりゆっくり。わかる?
さっきのはひどかった。
ぼくだけ仲間はずれにしてさ?
ぼくだって、お姉さんともっと話したかったし、一緒にいたかったのに。
おじうえだけズルい。
あ.....「フェンリルの呼び名に慣れましょうね」っていわれたんだ。こうふんしたら出ちゃうんだよね。気をつけなきゃ。
.....ん?ちちうえのお部屋からあかりがもれてる。声もきこえる。
あ.....ちちうえとおじうえだ。
ぼく知ってる。あれ、おさけっていうんだ。
大人しかのめないのよって、ははうえに教えてもらったことある。
ふたりで一緒におさけのんで、どんな楽しいお話してるんだろう。
ちぇ。もうぼくは寝る時間なのに、大人はまだまだおきていられていいなぁ。ぼくもはやく大人になりたいや。
.....ふぁあ。でもやっぱりねむい。
廊下はひえるなぁ。はやくお部屋にいっておふとんにくるまろう.....。
◇
国王ヴォルフ・ユービィストの私室にて、王弟 フェンリル・ユービィストが酒を飲み交わしながら話し込んでいた。
照度を落としたライトが白銀色とアイスシルバー色の二人の髪に静かに当たる。
彼らの面持ちはとても真剣なものだった。
カランとグラスの氷が鳴る音が、室内にやけに大きく響いた。
「それで?どうするんだ。その女性で間違いないのだろう?」
「間違うわけがないでしょう。正真正銘、彼女は私の番です」
「なら、さっさと求婚してこないか。お前の臣籍降下を考えるなら早い方がいい。我が国では、未婚で臣下にくだるのは認められていないからな」
◇