百年前と百年後を生きる君へ
穴から差し出された赤毛のアンを受け取る。

ふと、本の間に白い縦長の封筒が挟まっていることに気づく。


「え?これって…」


封筒の表紙には、宛先の名前はないけど空白のあとに“へ”と書いてあった。


「あ、手紙を書いてきたんです。いつ誰に見られるかわからないし、長話はできないかなと思って。伝えたいことはそこに書いてあるので、もしよかったらあとで読んでください。宛名はお名前がわからなかったので、空欄ですみません」

「いえ…!嬉しい…です」


封筒をひっくり返すと、右下に“蒼”と名前が綴られていた。


「そう…さん?」

(あおい)、です。お互い自己紹介がまだでしたね。お名前を伺っても大丈夫ですか?」

「あ、私の名前は、千に鶴で千鶴、です…!」

「千鶴さん。俺は二年生なんですけど、千鶴さんは?」

「私も、私も二年生です!」

「そっか、同い年だったんだ。敬語じゃなくて、お互いタメ口で話しませんか?せっかく同い年なんだし。名前も、呼び捨てで構わないので」

「はい、じゃなくて…うん」
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