精神障がい、性的違和の知暖が学んだ「真実の愛」と「人生の正解」を目指す道
6月下旬に入院を開始したのだが、入院生活前半は観察室でずっと過ごしていた。マットレスの上で寝たきりで、食事やトイレのときは座る。観察室には和式トイレのような場所があり、用を足すのだが、自分は和式トイレが嫌なので、洋式の簡易トイレを設置してもらっていた。寝たきりで過ごしていたせいか、観察室から病室への解放の時間では、椅子に座っているだけでも体力が消耗され、まともに自由な時間を楽しむことができなかった。主治医に、観察室への縫いぐるみの持ち込みが許可された。

縫いぐるみは、電気とフェアリーの属性があり、あるときは、フェアリーの声が聞こえるようになった。「いつかの火曜日いいことがあるよ」と教えてくれた。確かに、5日は火曜日である。迎えた5日の火曜日は、院外外泊の許可がおりた。入院生活で必要な娯楽として、母が色鉛筆などを買ってくれた。カラオケに行くと、母が声にエフェクトをかけてきて、うまく歌えないことに不満を持ち、感情を声に出して表すと、症状が改善していないと指摘された。携帯電話で西島(にしじま)さんに、自分の味方は限られていること、また就労施設で、瑛亮(えいすけ)くんと、さえさんと一緒に過ごしたいことと、フェアリーの声の話を書き、母にそれを西島さんに送信するようにお願いしたが、内容を完全に否定され、送信には至らず、フェアリーの声が聞こえた話も「統合失調症みたい」と言われ、主治医にも伝わった。この「幻聴」と精神医学上で処理されたことは、第8章の伏線となるとは思っていなかった。
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