忘れないまま恋をした
ある夜。

直哉が言った。

「あのさ」

「ん?」

「もう引っ越せば?」

「え?」

「ここ」

軽く言う。

冗談みたいに。

でも、

少しだけ真剣な顔。

「家賃もったいないし」

私は少し笑った。

でも、

心は静かだった。

怖くなかった。
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