忘れないまま恋をした
夜。

リビングの明かりだけついている。

私はソファでぼんやりしていた。

テーブルの上には、

颯斗の写真。

たまに、どうしても見たくなる。

直哉は何も言わない。

ずっと。

ずっと言わなかった。

でも、その夜。

「柚」

珍しく声が固かった。

「ん?」

顔を上げる。

直哉が立っていた。

少しだけ、

困った顔。
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