忘れないまま恋をした
坂を下りながら、

私は少しだけ迷っていた。

言うかどうか。

でも、

今日だと思った。

立ち止まる。

「直哉」

「ん?」

「お願いがあるの」

直哉が首をかしげる。

「なに」

私は少し深呼吸する。

「会ってほしい人がいるの」

「え?」

少し驚いた顔。

私は続けた。

「颯斗の、お義父さんとお義母さん」

風が少し吹いた。
< 151 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop