忘れないまま恋をした


『もし誰かが柚の隣に立ってくれたなら』

『そいつを大事にしろ』

直哉の手が止まる。

呼吸が浅くなる。

『きっと俺よりいいやつだ』

思わず、

小さく笑った。

「ハードル高いな」

誰もいない部屋で、

ぽつりとつぶやく。

沈黙。

しばらく、

動けなかった。

直哉は手紙を閉じる。
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