忘れないまま恋をした
12
七回忌から数週間後。

帰り道。

直哉が少しだけ歩く速度を落とした。

「柚」

「ん?」

「今度さ」

少しだけ言いにくそうに笑う。

「うちの親、会う?」

私は一瞬止まった。

「……いいの?」

「うん」

軽く言うけど、

少しだけ緊張しているのがわかる。

「多分さ」

空を見上げながら言う。

「ずっと気になってたと思う」

私は小さく息を吐いた。

怖くないと言えば嘘になる。

でも、

逃げたくはなかった。

「うん」

そう答えると、

直哉が少しだけ安心した顔をした。
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