忘れないまま恋をした
「ちゃんと寝てる?」

直哉は何も知らない。

私が結婚していたことも。
未亡人だということも。

ただ、隣にいる。

それだけ。

気づけば私は、その隣を選んでいる。

静かで、追及しないから。
何も奪おうとしないから。

支えられている自分が、気持ち悪い。

なんで颯斗じゃないの。

なんで生きているのが直哉なの。

そんなことを考える自分が、いちばん最低。
< 61 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop