拝啓。この気持ちに気づく前の君へ。
ある日の中間テストのこと。

※専門学校のテストは中・高と違って、テスト期間というものは無く、小学校とかみたいに授業ごとでテストがあるよ

なんの科目だっただろうか。

テストの点数で成績の8割をつけると言った先生がいた。

この頃には、雑談をするような仲ではないにしろ

ちょくちょく彼と会話をしていた。

テストが始まる前の休み時間。携帯を見ている彼に話しかけた。

「勉強しなくて大丈夫ですか…?」

もしかしたら、自分から話しかけたのはこれが初めてだったかもしれない。

彼がなんて答えたか。どんな会話をしたのかは覚えてないけど、一緒にプリントを見ながら復習したのを覚えている。

始業のチャイムが鳴り、先生が入ってきた。

挨拶もすませ、テスト用紙が配られ始めた時

不意に彼が体ごとこちらを見て話しかけてきた。


「すみません。シャーペン貸して貰えませんか?」

こいつは何バカなことを言っているんだと思った。

彼はこの日。午前中の授業をサボり、

午後一のテストの授業にだけ来たくせに。

なぜ、筆記用具を全く持っていないのか。

思わずは?と返してしまうくらいには驚いた。


彼とはこの日以前にも、会話していたはずなのに。

他の日のことを全く覚えていないのは、この日の会話が強烈だったからだと思う。

この日をきっかけに少しずつ彼との会話も増えていったように思う。


テストの結果は比較的良い方だった。

クラスの中でも2,3番目だったと思う。

彼も自分で思っていたより点数が良かったらしく、

その後のテストも一緒に勉強をするようになった。







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