妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
回転テーブルをぐるぐる回して不満を表現する俺を佐々木雫は冷めた目で見つめていた。

「雫さん、君も俺に興味ないでしょ。お互い様なのに溜息はないわ。幸せが逃げるよ」

「ふふっ。溜息つくと幸せが逃げるって同僚の子も言ってました。一個上なんですけれど凄く可愛い子なんです。ガソリンスタンドでバイトしてる男の子に会う口実を作る為に免許取っちゃうくらい一途なんですよ。本当に純粋で天然記念物みたいで見ているだけで眼福です」

「冬城真夏?」

「そうです。冬城さん、ご存知なんですか? 私、大好きなんです。なんか、汚い人間ばかり見てきたせいか、綺麗なもの見ると堪らなくなるんですよね」

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