妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
「チンピラ風情の暴走族が、ここは京極組のシマだぜ。いい度胸だな」
俺は喧嘩に明け暮れる毎日を送ってきたので、腕には自信があった。しかし、多勢に無勢。ナイフに鉄パイプの武装集団。しまいには改造バイクで衝突され俺は膝をついた。

「ヤクザの御曹司も大した事ねえなあ」
「俺にこんな事して、タダで済むと思うなよ」
「京極清一郎、それなら、お前にはここで死んでもらわなきゃな」
名乗りもしない暴走族のトップはチキンヤローだ。でも、俺はこのブサイクな男の顔を忘れないだろう。

(絶対、報復してやる⋯⋯)
絶体絶命の中、俺は奥歯を噛み締めた。

「島袋さん、この女、サツに通報しようとしてました」
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