妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。

「真夏ちゃん?」

寝室の方から聞こえた低い声に私は慌てて、ライ君の元に行く。

「ライ君、何か食べたいものがあれば作るよ」
「もう一回、真夏ちゃんが食べたい」

甘えたような彼の表情と声に私は陥落した。

シーツに包まっているライ君は大型犬のように見える。私はもう一回シーツの中にくるまった。
彼が私の髪を愛おしそうに温かい手で撫でてくれる。私は緊張しながらも、手を伸ばし彼のサラサラの髪を撫で返した。

「私、今まで生きて来た中で今が一番幸せ」
「真夏ちゃんは大袈裟だな。でも、実は俺もなんだ」

彼の優しい声色に頭の中がピンク色に染まる。
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