妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
爆音の中、イルカが輪を潜ったりジャンプする。音響は人間の私でも煩いと感じるくらい大きい。人間より高周波を聞けるくらい耳が良いと言われるイルカ。
この環境で過ごすのは辛くないだろうか。イルカは調教師を乗せたりしているけれど、本当はそんな事をしたくないのではないかと考えてしまった。

「イルカはうるさくないのかな。人を乗せたり重くないのかな」
「そんな事を考えるなんて、真夏ちゃんらしいね。この環境に慣れてるから大丈夫だと思うよ」

私はふと嫌っている極道の世界を思い出した。刺青、暴力、薬物。あの世界に生まれた癖に私はあの世界に染まってないから苦しい。

「このイルカたちを海に逃してあげたい」
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