妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
これが嫉妬のような気持ちなのだろうか。彼にお客として憧れてただけの時はそんな気持ちは持っていなかった。
彼にとって私は一夜の相手で、この水族館デートはアフターサービスみたいなものかもしれない。水槽に映った彼と私を見ても、人が振り向くくらいカッコ良い彼と地味な私が釣り合っているようには見えない。

突然、ライ君が私の手のひらと自分の手のひらを合わせてくる。
「これでタッチ! ヒトデとか触りたかったの? 人の手で我慢してくれる?」
「我慢だなんて、とんでもない」
顔から火が出そうに熱い。昨晩、もっと彼と密着して恥ずかしい事をしたのに、手が触れただけで心臓が飛び出しそうだ。

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