妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
「「ええっ! 良いんですか?!」」

私はご両親に悠太君を挟んで乗せるように促す。
悠太君はキャッキャとご機嫌で、ご両親は風景よりも彼の喜ぶ顔を見ていた。

(なんて、幸せな空間!)

私は幸せな気持ちで胸いっぱいになりながら、観光案内をしつつ彼らを鎌倉駅に送る。

「ありがとうございます。最高の思い出になりました」
「良かったら、また鎌倉に来てください!」

ご家族を見送ると、急に眩暈が襲う。最近なんだかフラフラする事が多い。通常、定員二名のところを子供も乗せたから流石に体に負担が来たのかもしれない。

私は少しだけでも休もうと、地面に俯いてしゃがみ込んだ。
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