空を知らない君に贈る唄
カチッ、と⼩さな感触。
瞬時に磁極が発⽣し、空気が張り詰める。
崩れかけた異喰の巨体から、⻯也は迷いなく⾶び降りた。
まるで⾒えない⽷に引っ張られるかのように⾝体が⼀直線に⽊へと
吸い込まれ――
トン、と。
軽い⾳を⽴てて、⻯也は地⾯に着地した。
――静かだった。
⾵が、草を揺らす⾳だけが残る。
誰も、すぐには声を出せなかった。
全員が、ただ呆然と、
その光景を⾒つめていた。
……⻯也が、倒したのだ。
たった⼀⼈で、異喰を。
あの巨⼤な、⼈を喰らう化け物を。