キャンディ
3月13日
金曜日、放課後。掃除が終わったあとの教室は、西日が差し込んでオレンジ色に染まっていた。
「ほら。これ、やるよ」
不意に机の上に置かれたのは、コンビニのレジ横でよく見るのど飴だった。
差し出した本人の佐藤くんは、小学校からの腐れ縁で、今はクラスメイト。
家も近くて、親友と言っていいくらいには見慣れた存在だ。
そんな彼が、今はなぜか、気まずそうに窓の外を眺めている。
「……のど飴?」
「ああ。……大阪のおばあちゃんみたいって言うなよ。
お前、今週ずっと静かだったから。
喉でも痛めてんのかと思って」
私が一ヶ月前のことで落ち込んでいた間、ずっと近くにいたこの人は、私のことを見ていたんだろうか。
「……ありがと」
「おう。……あ、そうだ。明日、暇ならショッピングモール行かねー?
喉にいい飲み物とか、奢るからさ」
佐藤くんは答えを待たずに、逃げるように教室を出ていった。
一人残された私は、のど飴を手に取り、ゆっくりとその包みを開けた。
口の中に放り込む。
のど飴だから、当然スースーして鼻に抜けるような感じはあるんだけど。
でも。
口に入れてみたら、思っていたよりずっと甘かった。
「ほら。これ、やるよ」
不意に机の上に置かれたのは、コンビニのレジ横でよく見るのど飴だった。
差し出した本人の佐藤くんは、小学校からの腐れ縁で、今はクラスメイト。
家も近くて、親友と言っていいくらいには見慣れた存在だ。
そんな彼が、今はなぜか、気まずそうに窓の外を眺めている。
「……のど飴?」
「ああ。……大阪のおばあちゃんみたいって言うなよ。
お前、今週ずっと静かだったから。
喉でも痛めてんのかと思って」
私が一ヶ月前のことで落ち込んでいた間、ずっと近くにいたこの人は、私のことを見ていたんだろうか。
「……ありがと」
「おう。……あ、そうだ。明日、暇ならショッピングモール行かねー?
喉にいい飲み物とか、奢るからさ」
佐藤くんは答えを待たずに、逃げるように教室を出ていった。
一人残された私は、のど飴を手に取り、ゆっくりとその包みを開けた。
口の中に放り込む。
のど飴だから、当然スースーして鼻に抜けるような感じはあるんだけど。
でも。
口に入れてみたら、思っていたよりずっと甘かった。