チョコレートフォンデュ
「これ」

豊が唐突にテーブルの上に取り出したものは封筒だった。

「何、これ?」

「中開けてよ。」


私が何の気なしに中を開けると、そこには二枚の航空券が入っていた。


「は?何これ」

「航空券」

「それは分かってる」

「NY行き」

意味が分からなかった。


NYなんて行った事もないから想像もつかず、おまけに豊が何を言ってるのかまるで理解できない。


そんな私をよそに、私より若そうなウェイトレスが明太パスタを運んできた。


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