世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 離婚を言い渡されたら、そもそも金で買われた妻の私に拒否権はない。

 その時の自分が何歳になっているかまではさすがに想像できないけれど、突然放り出されて途方に暮れるのはごめんだ。

「今のうちに少しずつ貯金もしてるんだ。家に入れなくていい分、結構貯まってびっくりしてるところ」

「私は今の話を聞いてびっくりし続けてるよ」

 思わず乾いた笑いがこぼれた。

「紗代はそれで幸せなの?」

「うん」

 これは、即答できた。

「あの家に縛りつけられて生きるより、今のほうが幸せだよ」

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