世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 嫌いだと言った男に、心から楽しそうに映画の感想を伝えていることに気づいているのだろうか?

「また来るか」

 深く考えずに、勝手にそんな言葉が口をついて出てきていた。

 言ってからすぐ、無駄なことを言ったと反省する。

 そもそも彼女を、彼女が知らないらしい世界に連れ出してみようかと思った理由は、初夜未遂のあの出来事がきっかけだ。

 俺と徹底的に生活リズムを合わせない彼女に、ずいぶんといやらしい真似をするものだと感心したものだった。

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