買われた花嫁
「ごめんなさい、ごめんなさい。紗代を苦しめたいわけじゃなかったのに……」

 追いすがる両親に戸惑うも、蓮司さんは冷酷にふたりを私から引きはがした。

 自分のものになったことを見せつけるように肩を抱き、私を連れて外へ出る。

 

 帰りの車の中は、張り詰めた空気が漂っていた。

「どうして両親を誤解させるようなことを……? あの様子だと、私がDVでも受けているかのような勢いでしたよ」

「なにか問題があるのか?」

 ベッドの上で聞くものとは違う声のトーンに、きゅっと胸が詰まる。

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