世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 にこにこ言っているのを見る限り、嫌みや皮肉のつもりではないようだ。

 それが逆に落ち着かなくて、返答に困ってしまう。

「まさかあの霧島君からお願いごとをされる日がくるとは思いませんでした」

「……本当に彼が私をお願いすると言ったんですか? なにかの間違いではなく……?」

 大事な商談があっても私のことを考えているなんて、にわかには信じられない。

「ほほ、どうしてそんな質問をなさるんです? ……彼がそんなふうに誰かを思いやるような人には見えませんか?」

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