買われた花嫁
 駅前の喧騒から道を一本入ると、上質なレストランやおしゃれなバーも点在している。

 マンションの下層階はクリニックやコンビニ、住民専用ラウンジなどが入っており、周辺の状況と合わせて生活に不自由する要素がなさそうだ。

 既に私は彼の家へ荷物を郵送していた。

 だから今日はこの身体と簡単な手荷物だけで向かうことになる。

 一応、蓮司さんには連絡を入れたものの、結婚時にさえあんな冷たい言葉を吐き捨てた人が迎えに来てくれるはずなどなく。

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