甘い夢はもう見ない〜お見合い結婚から始まる両片想いの恋〜
お見合い
「行ってらっしゃいませ」
「行ってきます」

朝の8時。
マンションのロータリーで夫の左京(さきょう)の車を見送ると、エレベーターで最上階の部屋に戻り、桜子(さくらこ)は気合を入れて腕まくりをする。

「さあ、今日も1日がんばるわよ」

掃除、洗濯、家事、育児……はまだだけど、とにかくやることはたくさんあった。

結婚後、高級マンションに住まわせてもらい、何不自由なく生活させてもらうことに申し訳なさと肩身の狭さを感じた桜子は、決めたのだ。

私はこれを仕事にする。
目指すはプロ女房!

料理は料亭級。
掃除だってハウスキーパーレベル。
晩酌のお相手はスナックのママさん並み、夜のお相手は……まあ、これは追々。

桜子は広いマンションの部屋の隅から隅まで、丁寧に掃除を始めた。
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