甘い夢はもう見ない〜お見合い結婚から始まる両片想いの恋〜
この結婚に好きという感情はない
次の日も左京の運転で、ロサンゼルスの名所を巡る。

サンタモニカやビバリーヒルズ、ハリウッドにダウンタウン。

映画さながらの街を見ながら、オープンカフェでランチを食べ、桜子は感激の面持ちだった。

観光スポットから外れた丘の上には、秘密の花園のような緑豊かな自然が広がり、その中にひっそりとラグジュアリーなホテルが建っていた。

「すてき……。物語の中をさまよって見つけたお城みたいですね」

都会の喧騒とは無縁の静けさの中、耳を澄ませば鳥のさえずりが聞こえてくる。

ガーデンでお茶を飲みながら、桜子は新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

「自然を壊さず、まるでその一部のように溶け込んだホテルですね」
「そうだな。これから取り組む旅館の建築も、まずはそこを1番に考えている。我々人間は地球に守られて、自然の中で生かされているから」
「本当にそうですね」

真剣に語る左京に、桜子もしみじみと頷いた。
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