甘い夢はもう見ない〜お見合い結婚から始まる両片想いの恋〜
プロポーズ
明日は飛行機で移動するという、ロサンゼルス最後の日。

ディナーはビバリーヒルズの有名なホテルで食べようと、二人は衣装を新調することにした。

「左京さん、こんな高級なブティック、目がくらんじゃいます」

ロデオ・ドライブのブティックで困り顔になる桜子に笑って、左京は女性スタッフに桜子の対応を頼んだ。

「桜子、あとでな」
「はい」

女性フロアに上がる桜子を見送ると、左京は別の女性スタッフに、あることに協力してもらえないかと切り出した。

桜子に指輪を贈りたいのだ、と。

スタッフはパッと笑顔を浮かべてから「お任せください」と頷くと、なにやら楽しそうに軽い足取りで階段を上がる。

しばらくして戻ってくると、「左手薬指のサイズが分かったわ」と左京に教えてくれた。

「彼女の支度には1時間はかかるわ。その間に指輪を選んできて。ここはロデオ・ドライブよ。高級なジュエリーショップがズラリと並んでいるから」

左京はその場をスタッフに任せてブティックを出ると、迷わず『キング・オブ・ダイヤモンド』と称される有名ブランドに行き、エンゲージリングを選ぶ。

桜子に似合いそうな、シンプルなデザインながらダイヤモンドが美しく輝く指輪を購入し、大切にスーツのポケットに入れてブティックに戻った。
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