オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ
5話:踏みこむ勇気
夏休みの匂いが近づく七月のおわり。
すっかり慣れた休み時間の教室では、美咲と健太の笑い声が明るく弾んでいた。
「ねえ見て!これ昨日見返してたんだ」
美咲が取り出したスマホを、健太が横から覗き込む。
「去年の夏祭りじゃん。あはは!美咲ひでー顔!」
大げさに笑う健太に、美咲も「ちょっと!」と肩を叩きながら笑った。
「健太の方がひどいでしょ、ちゃんと見てよ」
美咲が画面を操作して、健太の顔をズームする。
真顔でごまかそうとしていた健太も、数秒ともたずに吹き出した。
楽しそうな空間に自分が入り込むのはどうしても苦手で、私は遠慮がちにタイミングを合わせて笑っていた。
その様子に気づいたのか、美咲がくるりとスマホをこちらに向ける。
「ほら、汐莉も見てよ」
画面に映っていたのは、美咲を真ん中に健太と翼が並んで写る一枚。
三人とも浴衣姿でとても絵になる見た目をしているのに、なぜか思いきり変顔をしている。
それでも、夏の色がぎゅっと詰まった、まぶしい写真だった。
「今度は、汐莉も一緒に撮ろう」
私は、少しだけ目を丸くしてから、曖昧に笑ってうなずいた。
まだ、彼女たちの輪に入れてもらっているだけという感覚は消えない。
どうせ今だけの友達。
なんてそんな考え方も、簡単には直らない。
それでも、三人と過ごす時間の中には、気を張りつめなくてもいい時間が、確実に増え始めていた。
すっかり慣れた休み時間の教室では、美咲と健太の笑い声が明るく弾んでいた。
「ねえ見て!これ昨日見返してたんだ」
美咲が取り出したスマホを、健太が横から覗き込む。
「去年の夏祭りじゃん。あはは!美咲ひでー顔!」
大げさに笑う健太に、美咲も「ちょっと!」と肩を叩きながら笑った。
「健太の方がひどいでしょ、ちゃんと見てよ」
美咲が画面を操作して、健太の顔をズームする。
真顔でごまかそうとしていた健太も、数秒ともたずに吹き出した。
楽しそうな空間に自分が入り込むのはどうしても苦手で、私は遠慮がちにタイミングを合わせて笑っていた。
その様子に気づいたのか、美咲がくるりとスマホをこちらに向ける。
「ほら、汐莉も見てよ」
画面に映っていたのは、美咲を真ん中に健太と翼が並んで写る一枚。
三人とも浴衣姿でとても絵になる見た目をしているのに、なぜか思いきり変顔をしている。
それでも、夏の色がぎゅっと詰まった、まぶしい写真だった。
「今度は、汐莉も一緒に撮ろう」
私は、少しだけ目を丸くしてから、曖昧に笑ってうなずいた。
まだ、彼女たちの輪に入れてもらっているだけという感覚は消えない。
どうせ今だけの友達。
なんてそんな考え方も、簡単には直らない。
それでも、三人と過ごす時間の中には、気を張りつめなくてもいい時間が、確実に増え始めていた。