One year left -家族ごっこ-
すべてを壊されるような恐怖はどこかへ消え去り、私の部屋の暗闇には、ただ切ないほどに甘やかで、柔らかい体温だけが満ちていた。
「可愛い」
私は、自分の首元に額を押し付けたまま深くうなだれている、碧くんの髪をそっと撫でた。
大きな子供をあやすように、よしよし、と大きな頭を優しく手のひらで包み込む。
「……その言葉、萩花にそのまま返す」
彼は髪を揺らしながら、私の胸元に顔を埋めたまま、低く甘い声を籠もらせた。
「どういう意味?」
「萩花が、隠さずに全部見せてくれて、可愛かった」
「……思い出させないでよ」
自分のこの小さな胸をまじまじと見つめられ、彼の熱い手のひらと口内にすべてを明け渡してしまった羞恥が蘇り、私は耳の裏まで真っ赤に灼けつくのを感じる。
「萩花だったら、なんでもいいや」
「え?」
私が問いかけるより早く、碧くんはゆっくりと顔を上げ、私の額や目元に、慈しむような優しいキスを何度も落とした。
「例えば萩花が男でも、きっと俺は好きになってた」
胸の大きさなんて、最初からどうでもいいのだ。
肉体の形なんて関係ない。
ただ合月碧という一人の男は、小野萩花という私の存在そのものを狂おしいほどに求めてくれているのだと、彼の真摯な声音がまっすぐに私の胸を貫いた。
「可愛い」
私は、自分の首元に額を押し付けたまま深くうなだれている、碧くんの髪をそっと撫でた。
大きな子供をあやすように、よしよし、と大きな頭を優しく手のひらで包み込む。
「……その言葉、萩花にそのまま返す」
彼は髪を揺らしながら、私の胸元に顔を埋めたまま、低く甘い声を籠もらせた。
「どういう意味?」
「萩花が、隠さずに全部見せてくれて、可愛かった」
「……思い出させないでよ」
自分のこの小さな胸をまじまじと見つめられ、彼の熱い手のひらと口内にすべてを明け渡してしまった羞恥が蘇り、私は耳の裏まで真っ赤に灼けつくのを感じる。
「萩花だったら、なんでもいいや」
「え?」
私が問いかけるより早く、碧くんはゆっくりと顔を上げ、私の額や目元に、慈しむような優しいキスを何度も落とした。
「例えば萩花が男でも、きっと俺は好きになってた」
胸の大きさなんて、最初からどうでもいいのだ。
肉体の形なんて関係ない。
ただ合月碧という一人の男は、小野萩花という私の存在そのものを狂おしいほどに求めてくれているのだと、彼の真摯な声音がまっすぐに私の胸を貫いた。