冷徹宰相様の嫁探し

宰相、驚愕す

 
 力強く夢を語るアルベルトを見ながら、マレーヌは、これはもう駄目かな、と思っていた。

 この方は強い信念を持って、私を王子の嫁にと思っているのだ。

 宰相様の夢を叶えてあげたい。

 王家を支えるのがこの方の夢で、そのために私が必要だと言うのなら。

 悲しいけれど、私は王子の元に嫁ぎましょう。

 そうマレーヌは悲壮な覚悟を決める。

 でも、宰相様のために嫁ぐとか、エヴァン王子に失礼なので。
 いつかは、ちゃんと王子を愛さなくては。

 今は無理でも、いつかきっと……。

 今でも王子のことは尊敬しているし。
 見た目も好みでないこともない。

 王子は人もいいし。

 宰相様みたいに物を見るような目で冷ややかに私を見たりとか、絶対なさそうだし。

 あら?
 どう考えても、エヴァン王子の方が夫としていいような。

 そう気づきはしたが。

 人の心は何故か、いい人だから好きになる、という単純な構造をしていない。

 それに、口調は突き放した感じだし、目的のためには容赦ないけど。

 王家のために、おのれの人生すべてをかけて尽くそう、というこの人はやはり、尊敬できる人のような気がする。

 ……いや、勝手に正妃に選ばれたりとかは迷惑なんだが。
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