冷徹宰相様の嫁探し
「この間希望のあった本だが。
 ちょっと本年度の予算では手が出ないかなという話になったよ。すまないね」

 シルヴァーナは、えーっ、という顔をしたあとで、ふと気づいたようにこちらを見た。

「王子、マレーヌと結婚されるのですよね?」

 えっ?
 そうなのですか? という顔をする館長の前で、王子は渋い顔で言った。

「いや……マレーヌは宰相と結婚するようだよ」
「あらそうなんですか」

 あっさりだな……と思った自分に、シルヴァーナは、

「残念だわ。
 マレーヌが王妃になるのなら、予算を都合してもらうか、あの本買ってもらおうと思ってたのに」
と愚痴る。

 そして、ちょっと小首を傾げたあとで言った。

「そうだわ、王子。
 私と結婚しませんか?」

「は?」
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