あと一分、君を呼び止めていたならば。

3.優奈への手紙

 家に帰ったけど、優奈がいなくなった空っぽの部屋では何もしたくない。ぼーっとしていると一通のメールがきた。

唯花からでお葬式の日程が決まったとのことだった。2日後らしい。

―手紙を書きたい―

優奈がいなくなってから始めて何かをしたいと思った。優奈に関係していることだからだろう。

今まで、優奈がいないとき、自分が何をしていたか覚えていない。

、、あほみたいにゲームしていたこと以外。思い出したくない記憶でこれ以上考えるのを脳が拒否した。

[優奈へ]
優奈がいなくなってから、部屋が妙に広くて静かです。
優奈はいつも俺のわがままを笑って、ときには言い合いながらも、聞いてくれました。
あの日は俺を喜ばせようと色々準備してくれていたのにあんなことになってしまって本当にごめん。
隣にいてくれるうちに感謝、愛を伝えられなくてごめん。楽しませてあげられなくてごめん。守れなくてごめん。そして、1年間たくさんの思い出をありがとう。ちょっとしたことで感謝を伝えてくれてありがとう。好きになってくれてありがとう。楽しませてくれてありがとう。隣で笑っててくれてありがとうございました。優奈と出会えて本当に幸せでした。優奈がいない明日をどう生きればいいのか、全然わからないけど、優奈が教えてくれた「優しさ」を一生忘れません。
優奈、またいつか、どこかで会えたら謝らせてください。そして、許さないでください。わがままな俺からの最後のわがままです。
改めて、本当にありがとう。
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