秘書ですがエリート社長に溺愛されています

第1章 社長と秘書の距離

朝八時半。

まだ社員がまばらなオフィスで、私はいつものようにパソコンを立ち上げた。

今日のスケジュールを確認する。

会議が三件、取引先との打ち合わせが二件。

その合間に決裁書類がいくつも入っている。

――今日も忙しい一日になりそうだ。

私は手帳を開きながら、静かに息を吐いた。

私、水瀬美咲は、社長秘書になって三年。

最初は緊張して何度も失敗したけれど、今では社長の一日の流れをほとんど体で覚えている。

何時にコーヒーを飲むか、どの資料を先に確認するか。

どの会議は長引きやすいか。

それを把握して先回りするのが、秘書の仕事だ。

そして――

その社長が、今日も会社にやってくる。

ガラス張りのエントランスの向こうに、黒い車が止まるのが見えた。

私はすぐに立ち上がる。
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