人形姫と秘密のお役目 -1-
プロローグ
私は和服を整え、垂れ下がった耳を持つ、うさぎの人形を抱いて座っていた。
本家の広い屋敷の一室、障子越しの光が淡く差し込む。
柱や襖の木目までもが、静かに息をしているように見えた。
人形は、私にとって命と等しい存在だ。
そして、この一族に生まれた者は、皆、何かしらの呪いを抱えている。
私の場合は、目。
一定時間、直接“視れば”、呪いが発動する。
だから私は、普段ほとんど目を使わない。
代わりに、人形を通して世界を見る。
それができるようになったのは、つい最近のことだった。
まだ術は不完全で、視界は狭く、距離感も曖昧だ。
それでも、使わないよりはいい。
私の家は、いわゆる陰陽師の家系で、人ならざるもの、この世にあってはならないものを視る。
それが私たちの役目。
けれど人形越しでは、それらははっきりとは映らない。
だから結局、最後は自分の目で視るしかない。
この家に生まれた以上、それは避けられないことだった。
本家の広い屋敷の一室、障子越しの光が淡く差し込む。
柱や襖の木目までもが、静かに息をしているように見えた。
人形は、私にとって命と等しい存在だ。
そして、この一族に生まれた者は、皆、何かしらの呪いを抱えている。
私の場合は、目。
一定時間、直接“視れば”、呪いが発動する。
だから私は、普段ほとんど目を使わない。
代わりに、人形を通して世界を見る。
それができるようになったのは、つい最近のことだった。
まだ術は不完全で、視界は狭く、距離感も曖昧だ。
それでも、使わないよりはいい。
私の家は、いわゆる陰陽師の家系で、人ならざるもの、この世にあってはならないものを視る。
それが私たちの役目。
けれど人形越しでは、それらははっきりとは映らない。
だから結局、最後は自分の目で視るしかない。
この家に生まれた以上、それは避けられないことだった。