桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

第14話 生徒会室はカオスでした

生徒会室へ向かう途中。
私はさっきから気になっていたことを、口に出した。

「芽衣ちゃん、その手帳、なに?」

芽衣は手にしている手帳をちらりと見て、悪戯っぽく微笑む。

「……ないしょ」

「あー、この子ミステリー小説好きでさ」

瑞稀が横から言う。

「……観察は基本」

芽衣がさらっと続けた。

「探偵ごっこってこと?」

「……まあね」

答えた芽衣は、なぜかちょっとドヤ顔。

……なるほど。

だからこんなに渋い手帳を持ち歩いてるのか。
見た目とちょっと合ってない気がして、ずっと気になっていた。

「……何かあった時に犯人を割り出す」

「そ、そう」

……いや、そもそも何かあったら困るんだけど。

ちらっと瑞稀を見ると、私と同じことを思ったのか、困ったように微笑んだ。

そんな話をしながら、私たちは三年の校舎へ向かった。廊下は思ったより静かで、なんとなく緊張する。

生徒会室の前に立つと、
小さく息を吸って、ドアをノックした。「はいはーい」


すぐに中から軽い声が返ってくる。

……あっちゃんじゃ、ない。

ガチャリ、とドアが開いた。

ドアを開けたのは、背の高い男子生徒だった。

敦兄ほどではないけれど、すらっとした長身。
着崩した制服に小さめのピアス。
タレ目で、どこか気の抜けた雰囲気。

「えーと……」

桐生敦さんいますか、と言いかけと時。

背後から、ぽつりと声がした。
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